清水次郎長伝あらすじ
【第一部】
原作=村上元三 脚本・演出=松井誠
清水の次郎長一家の面々が織り成す義理と人情あふれる様々な人間模様
時は幕末。秋葉権現の祭りの際に、大熊親分の妹・お蝶と夫婦約束を交わした長五郎は、二年の男修行を終えて、一本どっこのやくざになって帰って来た。お蝶からもらった簪を差し出し、お蝶を嫁として迎えに来たのだ。名前も長五郎から次郎長に改め、世にも名高い清水次郎長一家の誕生である。
甲州津向(つむぎ)の文吉と、駿州和田島の太左衛門が、庵原川で決闘を行う場に、単身乗り込んだ次郎長は、この喧嘩を仲裁し文吉と太左衛門は刃を収めた。この「庵原川の仲裁」で次郎長は、侠客としての名声が高まり、東海道一の侠客として名を上げる事となった。
そんな折、甲州の猿屋の勘助が悪巧み。それを知った次郎長たちは、旅姿も颯爽と甲州路に急ぐ。勘助は、大勢の乾分を集め、次郎長一家を皆殺しにしようとするが、固い結束で結ばれた次郎長一家の強さに成す術なく成敗されてしまう。
渡世の仁義の掟に従い、悪を成敗しても喧嘩は喧嘩。次郎長一家はお蝶と共に兇状旅に出たが、旅なれないお蝶が熱を出してしまう。苦しむお蝶をみかねた次郎長は、以前助けた、関取の八尾ヶ嶽久六を訪ねた。久六は相撲取りを辞め、今や十手を握るやくざの親分として、大勢の乾分を抱えるまでになっていた。久六は大恩ある清水次郎長親分を親切に迎え入れたが、その本心は…。果たして次郎長一家の運命はいかに!